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外壁塗装における下塗りの役割と重要性

塗装の豆知識 2024.03.04 (Mon) 更新

こんにちは、板橋区・練馬区の外壁塗装、屋根塗装専門の大谷建装工業です。

 

外壁塗装には、単に色を付けるだけでなく性能を最大限発揮するために適切な工程を踏む必要があります。

その一つが「下塗り」となり、今回は「外壁塗装における下塗りの役割と重要性」について解説していきます。

 

 

外壁塗装における下塗りとは

外壁塗装では基本的に「下塗り」、「中塗り(上塗り1回目)」、「上塗り(2回目)」3工程で行います。

使用する塗料によっては仕様が異なる場合がありますが、「下塗り」はほぼ必ず行う工程になります。

「中塗り(上塗り1回目)」、「上塗り(2回目)」は、耐候性を有していて建物を守る役割の他、色やパターンを付けたりして意匠性を出す役割があります。

中には遮熱や断熱といった機能性を有した上塗材もあります。

一方で、「下塗り」は上記の「中塗り(上塗り1回目)」、「上塗り(2回目)」の役割を最大限発揮するための土台作りのために使用されます。

建物の状態や種類に適した「下塗り」が施工されないと、その上にどんなに良い塗料を使用しても効果が発揮されず早期に劣化してしまうのです。

 

外壁塗装における下塗りの役割

それでは外壁塗装における下塗りの具体的な役割について解説していきます。

 

下地との密着性を高める

第一の役割として、現在の外壁と新しい塗料との密着を高める接着剤としての役割です。

住宅に使用される外壁材には、コンクリート・モルタル、ALC、サイディングボードなど様々な種類があります。

それぞれに密着の相性が良い成分は異なるため、適した下塗材を選定する必要があります。

また、外壁材に塗装が既にされている場合は、既存の塗膜の種類によっても相性の良い悪いがあるため、同じく下塗材の選定が必要になります。

不適切な下塗材を選定してしまうと塗膜の剥がれの原因となり、建物を保護する機能が失われてしまいます。

特に近年では、新築時に使用されるサイディングボードに光触媒や無機系のコーティング剤が施されている場合が多くなってきています。

これらの外壁材は塗料との密着が悪いため、高密着性の下塗材を使用しなければいけません。

コーティング剤が施工されたサイディングボードかは、見た目で判断は難しく専門的な知識やしっかりとした現地調査が必須になります。

 

下地の吸い込み調整

外壁は劣化してくると表面が粗面になっていきます

スポンジのような状態となっているため、その状態のまま上から塗料を施工していくと塗料に含まれる水分や溶剤分が外壁に吸われてしまいます。

塗料は水分や溶剤分を化学反応させたり、乾燥させていく過程で塗膜を形成していきます。

塗膜の形成に必要なものが吸い込まれてしまうと、造膜不良となり本来の性能が発揮されなくなってしまいます。

色や艶がムラとなって見栄えが悪くもなり、密着力不足による剥がれなどの早期の劣化を引き起こす要因ともなります。

下塗材を使用しても塗付量が不足していると、吸い込みを抑えきれずに同様の現象を引き起こすため、使用する下塗材だけでなく状態合った量を塗装する必要があります。

 

下地の補修

塗膜や下地(外壁材)は、経年劣化や建物の動きでひび割れ(クラック)や剥がれが発生します。

そのような症状が起きている場合は、塗装を行う前に補修を行います。

しかし、症状の軽い微細なひび割れ(ヘアークラック)のような状態であれば下塗材で補修を兼ねた塗装が可能です。

塗膜の厚みを付けられる下塗材でひび割れの箇所を埋めていくことで補修と凹凸の調整ができます。

ひび割れ(クラック)は、柔軟性のある塗料を使用して、動きに追従することで発生を抑制することもできます。

そして、柔軟性は厚みに比例して上がりますので、補修と新たなひび割れの発生を抑制していきます。

 

機能性向上

機能性を付与は「上塗り」の役割として紹介しましたが、一部の「下塗り」にも塗装の機能を向上されるものもあります。

その一つが遮熱用の下塗材です。

遮熱性能も持つ顔料を配合した下塗材を使用することで、上塗材の遮熱塗料と組み合わせた際により遮熱効果を高めることができます。

住宅の屋根は黒や濃色が一般的ですが、遮熱効果は色が濃くなるほど蓄熱しやすくなるため低くなります。

その矛盾を解決するためにも、遮熱用の下塗材はより遮熱効果を高める特殊な白色顔料を使用したものとなっています。

上塗材を塗装すると人の目には下塗材の白色は見えなくなりますが、しっかりと光の反射率を高めてくれます。

また、鉄部への塗装の際には錆の発生を抑制する「サビ止め」用の下塗材があります。

サビを抑えるエポキシをはじめとした成分は、紫外線に対する耐性が低いため、下塗材に配合して上塗材で保護をします。

 

下塗りの種類

上塗材では、どのくらい塗膜を保たせたいか、どのような機能性を付与させたいかなどで種類が異なります。

下塗材においては、下地の状態や種類によって使い分けていきます。

ここでは、一般的に使用される下塗材の種類について紹介していきます。

 

シーラー・プライマー

シーラーとプライマーは本来別々の目的や意味がありますが、近年ではほとんど同義として扱われています。

本来の意味は諸説ありますが、以下のようになっています。

シーラーとは、「防ぐ」、「封じ込める」というsealという言葉が元になっています。

上塗材と密着性の悪い下地を完全に遮断するという意味合いが強く、主に密着性を高める下塗材を指していました。

プライマーは、「最初に」、「~の前に」といったprimeという言葉が元になっています。

塗装の根本となる最初の工程として、吸水調整の意味合いが強いものです。

どちらの目的も果たせる下塗材が多いことや意味合いが重複することもあり、その違いは特に気にする必要はありません。

そして、塗料には、水性と溶剤とありますが、密着性や吸水調整の効果は溶剤の方が高くなります。

水性塗料の発展は急成長していて高性能の水性下塗材も多くなってきました。

通常で外壁に使用される下塗材は水性タイプでも十分ですが、難付着系と呼ばれるサイディングボードや、紫外線に多く晒される屋根においてはまだまだ溶剤タイプを使用する方が安心です。

シンナーへのアレルギーやにおいに敏感な方で、水性塗料で塗装をお願いしたい場合は、下塗材の品質を重視することをお勧めします。

 

フィラー

フィラーは本来下塗材ではなく、「下地調整材」として塗装の前に下地の凹凸を整えるものとして使用されていました。

当初はセメント系の粉体のものでしたが、樹脂系のフィラー材が誕生しました。

樹脂系フィラーは、同じ樹脂の塗膜と相性が良いため塗り替えでは「下地調整」兼「下塗り」として使用されるようになりました。

微弾性フィラーと一般的に呼ばれ、厚みを付けることができて柔軟性があることから広く使用されています。

モルタル壁の外壁の場合では、微弾性フィラーを使用することが一般的です。

 

サーフェーサー

シーラー・プライマーよりも少し厚付けができる下塗材がサーフェーサーです。

サイディングボードの外壁の場合、表面に微細なヘアークラックの発生していることが多々あります。

シーラー・プライマーではヘアークラックを埋めることができず、微弾性フィラーでは厚みが付きすぎてサイディングボードの意匠性を損なってしまいます。

また、微弾性フィラーを、意匠性を損なわないように薄塗りをしていったとしても、塗装をするローラーの毛の目が出てしまい綺麗に仕上げるのが難しくなります。

サーフェーサーであれば見た目の印象を損なわずに細かなひび割れの補修を兼ねて塗装をすることができます。

さらに、サーフェーサーは窯業サイディングボードの相性の良いシリコン系の成分を使用しているメーカーが多いです。

 

まとめ

今回は外壁塗装における下塗りの役割と重要性について解説してきました。

塗料の選択は、上塗材の耐候性や機能性に目がいきがちではありますが、適した下塗材があってこそのお話になります。

外壁塗装を検討されている場合は、施工業者がしっかりと下塗りを行ってくれるのか、使用する下塗材は建物に適したものかどうかも重要になります。

 

大谷建装工業では、板橋区を中心に無料で外壁・屋根の劣化診断やお見積りを承ります。

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